【TMM:No2314】2014年10月24日(金) 地震と原発事故情報|一人一人の被曝量を抑えながら有効な過酷事故対策をおこなうには 出来るだけ大勢の人員を投入するしかない(その2)(山崎久隆)|電力余剰時代の到来を予感(伊藤晴夫)|読者からイベント案内|新聞より|

たんぽぽ舎です。【TMM:No2314】
2014年10月24日(金)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
                              転送歓迎
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★1.一人一人の被曝量を抑えながら有効な過酷事故対策をおこなうには
  出来るだけ大勢の人員を投入するしかない  (その2)
   津波が来なくても海水ポンプは電動機とポンプそのものが
   火山灰で機能不全となる               (山崎久隆)
★2.電力余剰時代の到来を予感
  危険で、環境を壊す枯渇性燃料から、無尽蔵で持続可能な
  エネルギーへの転換の歩みはとめられない!       (伊藤晴夫)
★3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
 ◇学習講演会 11月2日(日)14時開会~16時半頃まで
  下京いきいき市民活動センター本館集会室(京都)
★4.新聞より
 ◆宮沢経産相、東電株600株保有 「監督する立場」疑問の声
 (10月24日 東京新聞より抜粋)
 ◆原発賠償条約 日本加盟へ  メーカー責任問わず、原発輸出促す効果も
 (10月24日 朝日新聞 見出しより)
 ◆核のごみ最終処分場 地域選定の基準議論
 (10月24日 朝日新聞 見出しより)
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★10月26日(日)14時~16時
 川内原発再稼働をやめろ!九州電力東京支社抗議行動(全国統一行動)
 九州電力は川内原発の再稼働を断念せよ
 場所 九州電力東京支社まえ(JR有楽町駅 日比谷口すぐ 有楽町電気ビル)
 主催「再稼働阻止全国ネットワーク」 問合せ 070-6650-5549
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┗■1.一人一人の被曝量を抑えながら有効な過酷事故対策をおこなうには
 │ 出来るだけ大勢の人員を投入するしかない  (その2)
 │  津波が来なくても海水ポンプは電動機とポンプそのものが
 │  火山灰で機能不全となる
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)

○撤退は正しい

 命令違反であろうと何であろうと、あの時点でほとんどが第一原発を離れた
のは、吉田所長でなくても全く正しい判断だと思う。ただし、本来は交代の人
員が投入されるべきであるし、もっと機材や燃料や電源などを運び込んでいる
べきであった。しかしそんなものはどこからも来なかった。吉田調書の最も衝
撃的な部分「打つ手なし」「茫然自失」だったのである。
 このような原発事故の対策は一つしかない。それは「人海戦術」だ。一人一
人の被曝量をなるべく低く抑えながら有効な手を打つには、出来るだけ大勢の
人員を投入するしかない。東電の発電所ならば全従業員を交代で投入するしか
方法は無い。日本には原子力災害のための即応部隊など存在しないのだから。
 原子力災害への訓練も覚悟もない国だったことが、3基の炉心崩壊と1基の
破壊をもたらしたが、福島原発事故以後も何ら体制は変わっていない。

 そのような中では、犬死にさせないのならば撤退するほかはなかったのだ。
 問題は、そのような実態が何も変わっていないのに、まだ原発を動かそうと
する人間が存在することだ。もう一度言うが、犬死にさせたくなければメルト
ダウンをしようが爆発しようが、原発の過酷事故を前に撤退しか方法は無い。
 九州電力は、間違っても国や他電力の要員の応援など期待してはならない。
誰も来ないし助けてもくれない。主観的に助けに行きたいメンバーがどこかに
居ても、法律と組織がそれを許さない。だから死にたくなければ撤退するほか
はなくなる。それでも原発を動かすならば、それは単なる自殺行為である。

○火山灰は川内を福島にする

 巨大噴火、破局噴火、カルデラ噴火、川内を襲う火砕流、などなど。川内原
発が直面する危機は繰り返し警告されてきている。
 しかしこれに対して田中規制委員長は「運用期間中には巨大噴火には遭遇し
ない」「モニタリングすれば事前に対策可能」との九州電力の主張をそのまま
受け入れて審査書を交付している。これは新たな安全神話の拡散だ。
 そのうえ川内原発を襲う危機はカルデラ噴火だけではない。
 桜島を始め、川内原発周辺には火山噴火により火山灰が降り注ぐ可能性のあ
る火山が目白押しだ。
 現在噴火中の桜島は勿論、霧島山系の新燃岳や口之永良部島は既にこれまで
に噴火した実績がある。特に桜島は過去三年にわたり毎年1000回も噴火をし続
けている。今年はこれまで500回あまりと、若干減っているが、これもマグマ
が溜まり大規模噴火が迫っているかもしれない。
 100年前の大正噴火の際と同程度の噴火が起きたと仮定し、噴煙が川内原発
に向かったと仮定すると、10センチから15センチほどの降灰になる可能性がある。

 これは原発を十分危機的状況にするレベルだ。
 火山灰は3センチ程度で車の通行が出来なくなり、事実上交通を遮断する。
原発への輸送はおろか住民避難も困難を極める。
 この状態で送電網は遮断され、外部電源喪失になる。非常用ディーゼル発電
機は火山灰が吸気口から吸い込まれ、フィルターもすり抜けて止まってしまう
だろう。言うまでもなく全電源喪失、ステーションブラックアウトである。
 これが川内を福島にしてしまう火山灰の脅威だ。津波が来なくても海水ポン
プは電動機とポンプそのものが火山灰で機能不全となる。
 その後何が起きるかは、福島第一原発事故の吉田調書が物語る事実が全てだ。

本質的に何も変わっていない発電所の安全管理では、事故の収束などおぼつか
ない。運が良ければ最悪を回避できる程度だ。
 その確率が最も高い原発を再稼働させる九州電力は、事故と共に破たんする
だろう。その責任は国と規制庁と地元自治体にある。        <了>


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┗■2.電力余剰時代の到来を予感
 │ 危険で、環境を壊す枯渇性燃料から、
 │ 無尽蔵で持続可能なエネルギーへの転換の歩みはとめられない!
 └──── 伊藤晴夫(たんぽぽ舎ボランティア)

10月16日の東京新聞から
「制度設計に失敗」 再生エネ買い取り破綻
 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014101690070143.html

 これは、原発なしでは電気は不足すると捲し立てて来た電力事業者をはじめ
政府・原子力マフィアが、みずから電力余剰時代[※1]の到来を認めざるを得
なくなったに等しい皮肉な事態としか言いようがありません。
 九電に続く各電力事業者の動きを受ける形で、経産省も諮問機関の総合資源
エネルギー調査会新エネルギー小委員会を開き、太陽光、風力、地熱など再生
可能エネルギーのFIT(固定価格買い取り制度)見直し作業に着手。混乱に
拍車をかけています。

 日本の自然エネルギーはたった2%以下という情けない状態です。それでも、
制度(FIT)ができた以上、利にさとい、産業界からここぞとばかり先を争
うように売電業(メガソーラー[※2])への参入が始まった訳で、今の混乱の
もとはエネルギーシフトを着実に進めるべき国(経産省)の原発回帰動機によ
るサボタージュ・やる気のなさからくる再生エネへの政策誘導ミスです。全エ
ネルギーの25%以上を再生エネルギーで賄っているドイツなどでは既に経験済
みの問題でしょう。
 危険で、環境を壊す枯渇性燃料(核燃料・化石燃料)から、無尽蔵で持続可能
なエネルギーへの転換の歩みはとめられません。

 具体的に見ることにしましよう。
 ことの発端はやはり、“火山リスク”も“地震リスク”も“住民避難計画の
不存在”をも、ものともせず闇雲に川内原発再稼働に突き進もうとする九州電力。
 九電が発した「九州本土の再生可能エネルギー発電設備に対する接続申込み
の回答保留について」によると「九州の再エネ設備認定量・接続量は全国で最
も高い水準」であり、「昨年度末に太陽光の接続契約申込みが急増」し、これ
を「全て接続すると太陽光・風力は近い将来約1,260万kWに到達」し、「太陽
光が需要を上回り電力の安定供給が困難となる見通し(参考) 需給のバラン
スが崩れると大規模な停電となる恐れ」があるといっています。
<九州電力HP>http://www.kyuden.co.jp/rate_purchase_index.html

 冗談にしてもたちが悪い。近い将来供給過剰ということなら、まず大容量の
バックアップ蓄電池を用意すべきであり、それは技術的にも現実的にも解決可
能です。需要に合わせた出力調整ができない原発のバックアップ用にコスト度
外視で建設してきた揚水発電所が現在遊んでいます。揚水発電の活用で需給
ギャップを吸収しますと、なぜ言わないのでしょう。現に230万KWの揚水発電
所を所有する九電自身が「揚水発電所は大きな蓄電池」…と、言っているので
す。[※3] そして当然のことながら、産業界では自然エネ発電用の大容量
バックアップ電池についての開発が急ピッチで進んでいます。
 たとえば、住友電工が開発し既に実証実験を行っている「レドックスフロー
電池」というのはこんな形。[※4]

※1 電力余剰時代といえば、今や原発は一基も動いておらず、節電・省エネ
 産業が花盛り。節電・省エネ技術の進展は眼を見張るものがあり、人々の暮
 らしや企業活動における節電省エネ意識も徹底している。人口減少による電
 力需要の頭打ち傾向も顕著。これらの中長期的要因は原発へしがみつく必要
 性を否定する。

※2 メガソーラーについては『週刊金曜日』10/17号で乱開発ぶりがレポー
 トされている。長崎県の離島宇久島で計画されているのは島の面積の約4分
 の一を占める世界最大級(年間想定発電量50万kw)。外部資本による九電管内
 メガソーラー。自然エネルギーは地域固有の財産であり、メガソーラーでは
 電力による地域の自立や活性化につながらない。
 http://www.kinyobi.co.jp/news/wp-content/uploads/2014/10/no141017-003trim.pdf

※3 「通常の発電機が燃料等の持つエネルギーを、電気エネルギーに変換す
 る「エネルギー変換装置」であるのに対し、揚水発電所は電気エネルギーの
 蓄積(充電)と放出(放電)を繰り返す「エネルギー蓄積装置」です。すな
 わち、基本的に蓄電池と同じです。」と。
 http://www.kyuden.co.jp/power_usages_faq_yousui.html

※4 「レドックスフロー電池」プラスとマイナスの電気を液体の形で別々の
 タンクに蓄えるという原理で何年でも電気をロスせず貯めておけて、タンク
 を増設すれば大容量化も簡単。「太陽光発電や風力発電に代表される不安定
 な再生可能エネルギーの導入に対し、レドックスフロー電池を駆使すること
 で電力の安定化を実現すると共に、電力不足の問題の軽減に貢献します」と
 いうもの。
 http://www.sei.co.jp/news/press/12/prs069_s.html


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┗■3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
 └────

◆【アジェンダ・プロジェクト学習講演会】
 原発拒否運動の経験を学ぼう!
 福井県の原発銀座・若狭で一貫して原発を拒否!
 小浜市民はいかにして原発を拒否してきたのか
  https://www.facebook.com/events/753855191347941/

 お 話:中嶌哲演(なかじま てつえん)さん
 と き:11月2日(日)13時半 開場、14時開会~16時半頃まで
 ところ:下京いきいき市民活動センター本館集会室
 (京都駅北側塩小路通りを東に徒歩15分 京阪七条駅から南西に徒歩10分)
     http://www.geocities.jp/tgtmk561/
 参加費:600円
  (学生、非正規雇用労働者、アジェンダ会員・定期購読会員は300円)
 主催:アジェンダ・プロジェクト
    〒601-8022 京都市南区東九条北松ノ木町37-7
  Tel&Fax  075-822-5035 e-mail agenda@tc4.so-net.ne.jp
  URL  http://www3.to/agenda/

 原発立地・若狭の真ん中にありながら原発を拒否し続ける小浜市で、
 40年以上にわたって一貫して反原発運動に取り組んでこられた
 中嶌哲演さんに、運動の経験についてじっくりとうかがいます。
 ぜひご参加ください。


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┗■4.新聞から
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◆宮沢経産相、東電株600株保有 「監督する立場」疑問の声
(10月24日 東京新聞より抜粋)

 宮沢洋一経済産業相が、東京電力の普通株600株を保有していることが分か
った。宮沢氏は23日、本紙などのインタビューで「東電の応援といった意味が
あるので売らずに持ちつづける」と説明した。東電は実質国有化されており、
経産相は国民に代わって東電を厳正に指導監督する立場だ。だが、保有株式の
価値を高めるため東電の利益を優先した判断に傾く疑念を持たれる可能性があ
り、同氏の姿勢に専門家からは疑問の声が出ている。(中略)
 組織の統治体制に詳しい青山学院大大学院の八田進二教授は「信託するとは
いえ、大臣が監督対象の企業の株式を持っていると、自身の保有する株価を上
げるための判断をしてしまうのではないかという「利益相反」の疑念を社会に
与えてしまう」と指摘。「本来なら大臣に就くことが決まった時点ですぐに売
却することが望ましい」と語った。(後略)

◆原発賠償条約 日本加盟へ  メーカー責任問わず、原発輸出促す効果も
(10月24日 朝日新聞 見出しより)

◆核のごみ最終処分場 地域選定の基準議論
(10月24日 朝日新聞 見出しより)


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