◆5月5日、日本国内の原発は全て発電を止めた!

5月5日、日本国内の原発は全て発電を止めた!
 各地での行動をつなぎ合わせ、「廃炉」に向けた運動を大きくしよう

(2012.5.9 たんぽぽ舎会員 森圭一)



 5月5日24時3分、北電‐泊原発3号機は「定期検査」のため発電を停止した。これによって国内50基の原発からの発電が止まり、1970年以来行われて来た原発からの電力供給がゼロになるという事態が生じた。

 「福島第一原発」の事故による放射能汚染は子供たちに将来にわたる不安を与え、未だに汚染の拡大は進行し続けている。野田内閣は昨年「収束宣言」なるものを発し、それと同時に「除染と復興」を掲げた「収束キャンペーン」を原発推進勢力と一体となって推し進めている。山下俊一らの手で「放射能による被害は全く無い」とのデマゴギーが福島県内の行政、医療機関で展開され、子供たちの命が危ぶまれている。

 福島からの避難者は今現在も10数万人とも言われ、生活を失った人たちの苦悩は計り知れないものがあり、解決の展望すら誰も示し切れないでいる。さらに見過ごせないのは、福島原発を始め、全国の全ての原発で被曝労働を強いられている作業員の存在である。5月9日、福岡地裁で元原発労働者の梅田隆亮さんの労災認定を求める裁判が開始される。今この瞬間も極めて高い放射線量の下、作業を強いられている労働者の存在があって始めて私たちの生活が成り立っていることを忘れてはいけない。

 こうした中、政府、財界、電力会社、さらには一部労働組合の幹部も巻き込んだ原発推進勢力は大飯原発の再稼働を強行しようとしている。

 8日、「福井県原子力安全委員会」は会合を開き、政府が示した安全基準の内容を了承した。また、「おおい町議会」は今週中にも始まる全員協議会を皮切りに、町民の動向を見極め、作業部会の答申と合わせ、5月中にも「再稼働是非の結論」をだす道筋を進めている。

 「伊方原発」、さらには「柏崎刈羽原発」にいたってさえ、電力各社は再稼働のための策動を準備している。


『全国7つのテントで湧きあがる「再稼働反対」の声
 ハンスト行動の成功を礎に、闘いの輪を広げよう』


 5月5日、この日は全国各地で「原発稼動ゼロ」の日がこのまま続き、廃炉の日を迎えるための様々な行動が行われた。泊原発から4キロ地点の対岸では100名の市民が声を上げ、大通公園では雨の中、450人の集会が開催され、中学生、高校生が発言している。「再稼働阻止経産省包囲行動」の最中、市民の実力で陣取った「テントひろば」は、福島の女性たちの行動から揺るぎない意志を授かり、今までにない広範囲な人々と繋がり、支持され、この日、全国の7つのテントと結びついた。福井県庁前で開始された中嶌哲演さんのハンストに連帯する行動は全国に広がり、5日の夕刊紙においては瀬戸内寂聴さんのメッセージが報道されるまでに至っている。事故当時の推進派と結託したマスメディアの報道と明らかに違ってきていると感じるのは言い過ぎであろうか。

 幾つかの新聞報道を紹介したい。
(1)5月6日「京都新聞」
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20120506_3.html
「全原発止まる。生き方考え直す契機に」?社説

(2)5月6日「琉球新報」
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-190849-storytopic-11.html
「全原発停止。再稼働なき安定供給追求を」?社説

(3)5月6日「沖縄タイムス」?社説
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-190849-storytopic-11.html
「全原発停止。ふらつくな、対策たてよ」


関電関内においても大津での集会、街頭チラシ配布行動や京都での槌田たかしさんらの関電支店前座り込み行動が連日行われている。広島では伊方原発の再稼動阻止に向け、繁華街で再稼動の是非を問うシール投票が行われ、関心を呼び起こしている。

私たちは再稼働を巡って政府や電力各社、とりわけ関西電力のデータの誤魔化しについて徹底追及していかなければなりませんが、そもそも現在政府が再稼動を政治決断しようとしている安全基準の前提自体が問題だ。石橋克彦氏は4月14日の共同通信社・識者評論で基準は事故が起きてからの防止策で、肝心なのは若狭湾の断層の問題をはじめ、地震に対する耐震対策を疎かにしている事、政府も含め、この事に目をつぶって再稼動を推し進めることの危険性を指摘している。(5月4日事故情報(たんぽぽ舎メルマガ)1443号)

停止中の50基の原発のうち26基には未だに核燃料が炉心に納められている。敦賀原発の直下にある断層は電力会社ですらその危険性を無視できないまでになっている。福島原発4号機の「使用済み燃料プール」の危険性、さらには「六ヶ所核燃料施設」の無防備の大量な核燃料。何時起きてもおかしくないと言われている地震の警告がなされる中で、政府は地震による原発関連施設の崩壊に対して、全くの無策を決め込んでいる。恐ろしい事態が進行しているにもかかわらず、国政での論議は驚くほど停滞している。

私たちは当面の再稼働阻止に向けたアクションを全力でたたかいながらも、「憲法と原発は相容れない」との意味をかみ締め、原発是非の判断の前提となる情報公開を求めていく必要がある。

報道されてないが、この日全国各地で「放射能被害はゴメンだ。原発なしの暮らしを」の声がこだまし、創意工夫した取り組みが行われている。「一万人の子供たちからのメッセージを公開したい」との石川県の一人の女性からの便りが届いている。彼女は1988年から原発の危険性を訴え、子供たち一人ひとりの言葉で綴られたメッセージを、5日首相官邸に届けるという。

こうした人々の力をさらに大きくし、一歩前に踏み出すことができれば、世界は変わっていくことができるし、放射能で汚染された世界に打ち勝つ展望も見出せるのではないか。否、それこそが全原発停止のこの日、私たちに下された責任といえる。



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